10月に入る頃から不思議と年の終わりと新年のことを考え始める。11月にも入ろうとすれば、タイでは雨季もいよいよ終わりを迎え、冬の風を感じ取ることができる。(冬と言っても熱帯国での話。やっと長袖の薄いシャツに袖を通せるほどだ)夕日は地平線に向かって急いで帰りだすと、途端に辺りが暗くなり、夜をしみじみと感じ始める。(秋の夜長のようなものだ)
平日の夜の渋滞をモーターバイクの後ろに乗り駆け、マーケットまで向かう。選んだのは火曜日のGreen Vintage Night Marketだ。盛り上がるのはやはり週末だし、ショップの数も倍近くまで増える。でももう欲しいものは売れてないかもしれない。ショップオーナーは土日に買い付けに行く。月曜は休んで、そして火曜からマーケットで値札をつけるのだ。火曜日は人波をはばかりたい人にとっては、広いスペースを気兼ねなく歩き回れるというのは気が楽で、疲れるということも少ない。


そんな夜には、若い出店者の仲間たちが、カップルたちが、話に花を咲かせて歩く通りを活気づけていた。夜が包む空間に灯るナイトマーケットからは、バンコクのユースカルチャーの根源のようなものが見え、バーやクラブの、ユース世代が集い作るグルーヴのそれとはまた違ったグルーヴを感じとった。
何もないフラットな空き地に集った空間は、それを取り囲むモダンなビルディングスやショッピングモールの、資本が投下されたユートピアのそれとはどこか一線を引いていた。

他のマーケットと同じように、食べ物のベンダーや飲み物を買える場所があり、小さなお酒を提供する店からは、バンドが演奏している。売られているのは、古着や雑貨、アクセサリー、サングラス、家具、ラグマットや人形。地面に並べらたり、ラックにかかっていたり。どれも手軽に手に取り、ゆっくりと時間をかけられる。

名が知られたブランドや年代物の人気のヴィンテージから、「これはチョット…」 なものまで、ものが極端に感じるが、「これがこの値段で?」というものも探せば見つけられる。一年で一番過ごしやすくなってきたタイ, バンコクの、ビルディングやクルマが交差する、眩く発展しゆく街の姿と、変わらずあり続けるローカルのライフスタイルが垣間見える場所で友達や恋人たちと夜長をしみじみと感じ入りたい。
