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僕らはヴィンテージを探しに、チャトチャックへ向かう

  • 2025年9月18日

チャトチャックマーケットで時間を過ごしていると、巨大な赤い建物に目が止まる。建物には「BANGSUE JUNCTION」と書かれている。人々はそれを「RED BUILDING」と呼ぶ。建物が赤いからだろう。まだ歴史が浅いこの建物には若い世代のショップをよく見受ける。チャトチャックマーケットよりもより敏感に文化の発信が盛んになっているようにも感じる。エアコンがよく効いた中では暑さから逃れられるが、汗で濡れたシャツが逆に寒さを感じさせることもある。垢抜けた粋な人達と話していると、彼らからタイのヴィンテージカルチャーシーンの脈所を得たように感じた。

交差点の向こうにRED BUILDINGが見える。

大きなこの「赤い建物」は5階までいっぱいに店が詰まっている。車通りの多い道を交通警備員の指示に従って渡ると建物の前に来る。向かって左からから入るとAゾーン、右から入るとBゾーン。1階と2階には骨董品、3階と4階は同じテイストで主に古着やアクセサリー。ぼんやりと2階がハイカルチャーだとすれば、3階がよりサブカルチャーで、4階はよりポピュラーカルチャーとでも言おう。流行りを作り続けるポップカルチャー、流行りを意識しないサブカルチャー。区別するわけではない、それらは本来同じ枝だから。ぼんやりと客層やファッションを眺めてみるとそんな気がしないでもない。経済もそんなものなのだろう。

1階のBゾーンの中に入ると目の前に上に上がるエスカレーターがあり、そのエスカレーターのすぐ隣にアイウェアと腕時計が並ぶ店がある。アイウェアの方に先に目が留まり、ヒジャブをまとった店の人に色々と尋ねる。「Cartie」や「Jean Paul Gaultier」のハイブランドや、Vintageのアイウェアを扱っているそうだ。詳しく話を聞こうとするとオーナーが15時にはここにやってくるそうだ。時計を見るとまだ14時過ぎ、隣のショップが目に入った。

左がTONNY。腕時計が並ぶショーケースの後ろで2人がソファに腰掛けて話をしている。目があうなり僕の腕時計を見た。仕事柄、無意識にそうなるのか、小恥ずかしい気持ちになった。
1950sから1970sの店に並ぶほんの一部の腕時計。

1970年代のSWISSで作られた手巻き腕時計を僕は気に入っていつも付けている。半世紀以上も経っているものだから丁寧にネジを巻いて優しく扱わないといけないのだが、それがなんとも良い。Tonny と色々と話をした。

「ちょうど今年から俺達でYouTubeを始めたんだ。週に一回このソファに座ってカメラの前で、腕時計のことはもちろん、国や将来について、俺がギターを弾いて皆んなで歌ったりもする。ただの日常だけど、その日常を見て、買い手や買い手になる人が安心することもあると思うから」

ちょうど14時を回る頃、彼が店にやってきた。アイウェアショップのオーナーのBUS
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ー あなたと店の事を話してくれない?

「19歳頃から興味を持って集めるようになって今が29歳だからちょうど10年だな。最初の方はヴィンテージと呼ばれるものを集めていたんだ。1940sから1970s頃のイタリア、スペイン、フランスやアメリカのもの。当時のフランスのハンドメイドものは艶かしいんだ。形もカラーも。そこから今ではハイブランドを中心に扱っている。イタリア人がよく来て『PERSOL』のヴィンテージは無いかと聞いてくるんだ。見せると喜んで買っていく。それを着けると、イタリアでは垢抜けたダンディなジェントルメンになれるんだってよ」

そこでヒジャブの女性も会話に加わった。

ー では※ LUXOTTICAについてはどう思う?

女性「ナンバーワンのアイウェアの会社で今や右にでるものはいないと思うわ。良質だし、私が知る限りデザインにも問題はない」

BUS 「俺はやつらの事をあまり良いようには思わない。『Ray-ban』からだ。1999年に経営困難に陥ったRay-banをやつらは買収したんだ。その前はまだ薬局やガスステーションで30ドル程で買うことができた時代。それが改修やらアップグレードやらされ150ドルで市場に出回り始めた。それが今の誰もが知っている『Ray-ban』 ほとんどが知らないがイタリアが所有するアメリカンブランド。

女性「でも彼らが『Ray-ban』を世界で有名にした。倒産したかもしれなかった会社を」

Bus 「アイウェアの値段の吊り上げと関係していなきゃいいが。LUXOTTICAはその後卸売業も買収した。こうして自分たちで作って売るというシステムを作りあげたわけだ。『Oakley』が最大のライバルとなった2000年代、やつらが買収した卸売がOakleyを店頭から外した。その結果株は暴落して2007年にはやつらに買収された。言いたいことは万物にはバランスがとても大切であって、強いものがそれを呑み込んで肉にして蓄えて占有してるだけじゃカルチャーは繁栄しないってこと。蓄える度にそれに伴う社会や文化の責任は必ず増す、ただ動物的に生き延びるだけじゃなくて、理性に従って物事を考えるんだ」

※世界最大の眼鏡・アイウェアメーカー。 イタリア・ミラノに本拠を置き、. ヨーロッパやアメリカ合衆国を中心に. 多くの有力ブランドを保有する。

60-70sのヴィンテージアイウェア
ショーケースの中にはハイブランドが並ぶ。GAULTIERやCARTIE

興味深く話を聞いているとヒジャブの女性が彼女の兄の店を紹介してくれた。彼はヴィンテージアイウェアのコレクターであると言う。別に予定もなかったしそれに「私の兄は…」と何度も話す彼女の目が気に入った。敬意を含む目をしていたし。彼女の後ろをついていくと同じ階のAゾーンにその店があった。挨拶をして聞きたいことがあると言うと快く受け入れてくれた。

ヒジャブ女性のお兄さん。目が合うなり、優しく微笑んだ。
彼の話す事は興味深い。見識をとても感じた。

ー アイウェアを集め始めた経緯は?

 「20代の頃ヨーロッパを1人で旅したんだ。その時彼らが着けているサングラスにとても惹かれてバンコクに戻った後でもずっと気になっていたんだ。もう1度ヨーロッパに行く機会があった時、今度はあっちでコネクションを作り仕入れを始めた。それが始まりだな。そんな彼らとはまだ親交が続いてるよ。今ではエジプトで買い付けをしている。そこでは一昔前のヨーロッパものがよく出回っていて安く手に入るんだ。店に置いてるのは、70sから80sヨーロッパ製のものが多い。なるべくファーストハンドのデッドストックを集めてる。

80s『Luciano Soprani』イタリアメイドらしいシェイプ、ブリッジの部分が巧妙にできてて、トップリムに真っ直ぐチタンラインが入っている。
1940年程に、オプティカル[光学]実験で使用されていた器具。レンズの歴史の歩みを感じ取れる。

光学が眼鏡を発達させファッションがそれをどこまでも広げた。光学とファッションの融合と歩み。それにしても彼は気取った口調や取り澄ましているようにも見えなかった。まるで雲の上からこの世をゆっくり眺めているような人であった。

Aゾーンからエスカレーターに乗りそのまま3階まで行く。その角にはアンティーク家具や雑貨で施されたカフェがある。飲み物を注文してすぐ後ろの外のテラスに持っていきチェアに腰を据えリラックスする。

カフェの一角。おそらくだが、オーナーが下の階でアンティークや家具のお店を持っているのだろう。
カフェのすぐ裏のテラス。あたりを展望することもできる。

カフェの反対側にある古着屋に立ち寄った。ドレスアップのパンツやジャケット、ブレザーが多く並ぶ。それに合わせたドレッシーなハットやネクタイ、襟を正すシャツも豊富にある。

オーナーがどんなダンディなドレッサーかと思いきや家庭を想うダンディなパパであった。
たまにはパンツからジャケット、ベルトやハンカチーフまで適切なサイズとカラートーンのものを選んで日々に花を添えたいものだ。

Bゾーンの脇の方まで行くとそこにある店々に吸い込まれるように興味を奪われた。脇には90年代のスポーティーなハイキングやアウトドアスタイルの店や、より洗練されたヴィンテージカジュアルの店が並ぶ。オーナー達はみな世馴れてきた年頃に見えヨコのつながりがよく絡み合っているように感じる。

ショップオーナーのAOF 25歳からここで店を構え5年が経つ。
一際セレクトされたヴィンテージアイテムに惹かれる。整った店内、程よい配置がこの空間を色気付ける。
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彼はSNSでたくさんのフォロワーをもつ。ヴィンテージのコンテンツに価値を付け、自分の色に染める。ヴィンテージカーやバイクに乗り仲間と喧騒から離れた自然へ行く動画。そこで身を落ち着かせ、酒や音楽を嗜み、焚き火の前で仲間と話に身をいれる。それにユーザーが反応して彼の世界に惹き入れられる。きっと彼自身の理想郷としての空間が多くの人に受け入れられているからなのだろう。

フロアごとに違った雰囲気に包まれる場所。日曜日の午後、大勢の人が流れに揉まれながら時を過ごしている。ものに価値を生み出すものにとっては周りや流行りはもはや関係がないのではないか。ヴィンテージが好きな彼らにとって古さや希少性もあるが、当時の時代を尊ぶ心、そこに価値を見つけ出しているような気がする。それが現代に向かっての反抗にもなり、未来をより良くするための原動ともなりうる。

 

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